教育マイクロワールド研究会 (過去の記録)
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教育マイクロワールド研究会 会報 NO.8


桜の花びらの散り舞う4月14日(土)、「第8回教育マイクロワールド研究会」が開催されました。今回は通常の実践報告や研究の紹介に加えて、先生方からのご希望により研究会終了後に簡単な入門レベルの講習が行われました。

発表1 奈良県生駒郡安堵町立安堵小学校 吉村正浩 先生
  • 題 材:マイクロワールドProを利用した3年算数で役立つサイト作り
    • 九九の花畑(「じゅんばん九九」と「ばらばら九九」)
    • フラッシュカード(「たしざん1」「ひきざん」)
    • かけ算筆算のたしかめ(大きい桁にも対応し、かけ算の筆算の過程が表示できる。
  • 実践校:奈良県北葛城郡新庄町立忍海小学校 (吉村先生は、本年4月に安堵小へ移動されました。)
  • 科  目:算数
  • 対  象:小学校3年
実践事例発表中の吉村正浩 先生

●概 要●

子どもたち一人一人が自らの算数的な力を伸ばすために作成されたソフトを紹介していただきました。また、このソフトは休み時間や家からでも使えるように吉村先生ご自身のホームページ上にアップロードしてあります。
http://www.asm.ne.jp/~myoshi/

「九九の花畑」

  • 「九九の花畑」は、画面に表示される問題の答えを入力し、間違えると何度も同じ問題がでてきて、間違えた回数により、画面の表のアサガオが、花、つぼみ等に変化します。
  • 「フラッシュカード」は、紙のカードで広く使われているフラッシュカードによる指導法をパソコンで実現したもので、カードの内容が簡単に変更できることから、アイデアやデータさえあれば、さまざまな応用ができます。(ex:九九、公式、百人一首)
  • 「かけ算筆算のたしかめ」は、子どもたちからのニーズによって作成したもので、答えあわせが困難な大きい桁の掛け算でも、自分で簡単に正誤や途中の計算が確認できます。計算の不得意の子は、自分の答えの確かめに使うことができ、得意な子は、計算を楽しんだり工夫したり、さまざまな発見をしたりすることができます。
  • インターネットからの利用を可能にしたことにより、授業中だけでなく校外からの利用により、子どもたちの自発的な活用を促すことができました。
●発表後のご意見・ご質問等●  
  • Q:画面の表(ピンクの部分)の大きさが小さすぎるのではないか。
    A:解像度を600*800で設定したため、1024*768の解像度で見ると、小さく見える。しかし、やはり、もう少し大きくしようと思う。
  • Q:算数を好きになるということはわかるが、好きになるということと、定着するということは違うのではないか?
    A:先生が対応していく部分と機械やプリントに任せてしまう部分を作っていく必要があるのではないかと思っている。
  • できる子に対する対応も考えているところがすばらしい 。
  • プログラムの記述を見ると、再帰等の機能をふんだんに使ってすばらしいプログラムになっており、感服した。
  • 「九九の花畑」のインタフェースもよくできているが、質問ダイアログボックスを使ったQ&Aの画面が他のレイアウトと比べて、強すぎるのではないか?他の入出力、例えば「うけたじ(readchar)」を使うなどして、問題を出している画面を中心にしたほうがよいのではないか?
  • Q:「フラッシュカード」のプログラムでは、答えの部分を入力しているが、ここは「やる(run)」を使って、答えを導くようにしたほうが作成側の負担が少ないのではないか。
    A:汎用性を考えて、プログラム内のデータはテキストファイルで、問題の式のあとにスペースをいれ、答えを入力しておくというかたちにした。
発表2  さいたま市立泰平中学校  金井 清 先生
  • 題  材:----「パソコンで創って学ぶ理科学習」から-----
    「創って学ぶ実用LOGOシリーズ」を使った中学校理科学習指導の工夫 ・ 光の屈折シミュレーション
  • 実践校:さいたま市立泰平中学校
  • 期  間:3学期
  • 科  目:理科
  • 対  象:中学校

金井先生

実践事例発表中の金井 清先生

 

●概 要●

理科学習へのコンピュータの有効活用に取り組んできた金井先生は、コンピュータならではの学習活動ができないものかと取り組んでおられます。具体的には、プログラミングしながら思考し、科学の仕組みを学ぶ、という発想をマイクロワールドの統合環境を使って実現することを企図しています。そのような教材として作成したのが「創って学ぶ実用LOGOシリーズ」です。今回はその中から3月に完成した「光の屈折シミュレーション」について紹介していただきました。これからも中学理科の各分野に対応した教材を順次、研究会で発表いただく予定です。

「光の屈折シミュレーション」
  • 光の屈折シミュレーションは、2匹のカメを平行に進ませ、屈折のような動きをさせるというものです。 実際の実験をした後、シミュレーションを自分たちで作ることによって理解を深めることができます。
 

●発表後のご意見・ご質問等●

  • 子どもたちに作らせるというところがよい。
  • 実際のプリズムによる屈折実験では虹ができるので、カメにも色の線による虹を描かせても楽しいいのではないか
  • シミュレーションを見ると、子どもたちはわかった気になるが、実際には知識としては定着しない。シミュレーションを作ることで、理解が深まる。
発表3 葛飾区立白鳥小学校 菊地恵美子 先生 
菊地先生
  • 題材:「1台のパソコンから 」その2
  • 実践校:葛飾区立白鳥小学校
  • 期間:3学期
  • 科目:朝自習(20分)と昼休みを使った活動(作文)
  • 対象:小学校3年生
実践事例発表中の菊地恵美子 先生
 

●概 要●

菊地先生のクラスでは従来、作文を書いてから、絵を描き込んでいました(第6回研究会報参照)が、スキャナを使って絵を取り込むことにより、作文と絵を同時に印刷することができ、短時間に児童に配布することができるようになりました。「パソコン初心者」と自らおっしゃる菊地先生、スキャナでの取り込み作業や露出調整、取り込んだ後のサイズ調整などに苦労されました。今回の作業と従来の作業とを比較して、こどもたちがどのような感想を持っているのか、今後も活動を続けながら、聞いてみたいとのことです。

「1年の科学のまとめ」

「おもちはどうしてふくらむの」

 
●発表後のご意見・ご質問等●
  • Q:読み込んだ画像をドラッグしたら、変形してしまった。(菊地先生)
    A:縦横均等に拡大縮小するにはShiftキーを押しながらドラッグする。
  • 実際に画用紙に絵を描くのとパソコンで描くのとではまったく違う。それぞれの特徴を生かして、いろいろな表現ができるのではないかと思う。
  • スキャナで取り込んだものを保存する際、マイクロワールドで使うためには、どのサイズで取り込んだらよいのかがわからない。マイクロワールで挿入する際、自動的に最適になるようにサイズ変換してくれるとよい。
  • ベテランだけの集まりではなく、マイクロワールドの初心者の方でも参加できるように声をかけていきたい。
<TOPICS> 筑波大学大学院 兼宗 進 さん
  • 題 材:「あれ、誰かとぶつかっちゃった」 ―ドリトルの衝突検出について―

研究発表中の兼宗さん

●概 要●

兼宗さんが研究開発されている言語「ドリトル」については第4回マイクロワールド研究会でご紹介いただきました。その後の活動報告です。

  • 昨年の秋、高校生に対して実験授業を実施。(その時の高校生の作品を見せていただきました。 )
  • 「ドリトル」における「衝突検出機能」の紹介。これは、過去のマイクロワールド研究会で、「タートル同士がぶつかったことを検出するためのよい手段が用意されていない」という問題提起をうけて試作されたものです。

参考:

(以下、兼宗さん資料より)

●衝突検出の仕組み●

  • 登場人物:「タートル」「図形」「キャンバス」
  • タートルや図形は移動すると、キャンバスに動いたことを知らせる。
  • キャンバスは他のオブジェクトに動いたオブジェクトを知らせる。
  • 個々のオブジェクトは動いたオブジェクトと自分の位置を調べ、重なっていれば、動いたオブジェクトに衝突を通知する。
  • 動いたオブジェクトはあらかじめ決めておいた衝突時の動作を実行する。
●発表後のご意見・ご質問等●
  • Q:オブジェクトのプロパティを見ることはできるのか。
    A:今はまだできない
  • タートルグラフィックもシェイプにこだわりすぎず、文字ガメのようなものがあっても面白いのではないか。
  • Q:JAVAで書いている衝突を「ドリトル」でも書けるのか。
    A:書くことができる。
<研修会についての検討と決定>

次回より研究会当日、12:00〜13:00にマイクロワールド初心者向けの研修を行い、従来通り13:30から16:00まで研究会を行うことになりました。初心者向け研修で興味・関心をもたれた方は、引き続き、研究会に参加していただこうという主旨です。

<教育マイクロワールド研究会 事務局から>

当初予定していました「情報数学」 岩槻北陵高校の3年生の作品報告は時間の都合で省略、 会員全員にCDにして送付しました。 その他、当日配布した(株)創育の「コムコムキッズ」「クリックスタート」についての説明、「会計報告」「メールマガジンの発行予定」についてご報告しました。

<マイクロワールド初心者向け講習>

研究会終了後、希望者の方に、アニメーションやボタン機能を中心としたマイクロワールドの講習を行いました。

  講習風景 

講習風景