教育マイクロワールド研究会 (過去の記録)
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教育マイクロワールド研究会 会報 NO.13

 

 立春を過ぎて、寒い中にも春の息吹を感じる2月9日----折りしも冬季オリンピックの開会式当日---発足後2年目の第13回教育マイクロワールド研究会が開催されました。

発表1 坊野 博範 先生(相模原市立淵野辺小学校)

 

  • 題  材:「大賞にチャレンジ!!」
  • 期  間:平成13年11月〜12月
  • 科  目:総合
  • 対  象:小学校5年生

概 要

 現在審査中の第3回マイクロワールド大賞。淵野辺小学校の坊野先生のクラスからも、すばらしい作品を多数応募されています。前任校で坊野先生が指導にあたった子供たちは、昨年の第2回マイクロワールド大賞でたくさんの賞を受賞。マイクロワールドにはほとんど触ったことのない子供たちをどのように指導されたのか、たいへん興味深い授業報告でした。

質疑応答中の坊野先生

児童の作品から


「ジェットコースター」

  1. [ねらい]
    • 作品作りを通して、完成までの過程を計画的に考え、取り組むことができる。
    • 自分のアイデアや考えを学習用ソフト「マイクロワールド」を活用して表現することができる。
  2. [単元計画] 10時間
    • 作品の内容を考える …… 2時間
    • 簡単な絵コンテを作る …… 1時間
    • 「マイクロワールド」を使って作品を作る …… 6時間
    • お互いの作品を見合う …… 1時間
  3. [学習を終えて]
    • 表現
      • 自分の考えたストーリーやアイデアを絵コンテに描き表すことによって、イメージしていたことがより具体的になった。
      • 絵コンテの段階で修正を行い、作品をより高めようとする姿が見られた。
      • 自分が「こうしてみたい」といった動きや音を、マニュアルを参照しながら簡単に表現することができるようになった。
    • プログラミング学習
      • 「マイクロワールド」の簡単なプログラムを活用して、画面上で動く楽しさや具体的な動きを楽しむことができるようになった。自分たちが関わって画面をコントロールできることに意欲をもったようだ。
      • 単純な横の動きから「飛んでいるように」「箱から飛び出るように」「犬が走っているように」などの画面上の具体的な動きを考え、実現させるためのプログラムを考え、取り組もうとする姿がみられるようになった。
      • 基本的な命令の動きから、自分がイメージした動きに近づくように命令の数字を変えながら動きをコントロールして完成させ、プログラミングの面白さを感じ取ることができた。例えば、「ボールが飛んでいって穴に落としたい」というときに、円弧の基本的な命令を教えるとその後、数字を変えることを繰り返しし、完成させた。
      • 一人の子から次の子へと友達同志での教え合いが、活発に行われていた。例えば[音の作り方][ページを自動的に動かす][言葉の枠を消す][動きと音の時間を調整する]など
    • 計画性
      • 自分でゴールを設定し、そのゴールに向かい、休み時間や放課後を活用して主体的な学習に取り組む姿が見られた。
      • グループの中で、「画面の絵を書く」「キャラクターを作る」「音を作る」「動きを考える」などの役割分担が行われ、制作が効率的に進むようになった。

発表後のご意見・ご質問等
  • Q:マイクロワールドの基本的な使い方やテクニカルな説明は、いつどのように行ったのか?
    • A:特別にそのような時間は設けなかった。最初に昨年の作品を見せたが、子供たちはマイクロワールド自体をほとんど使ったことがなかったので、どういうことができるのかをイメージすること自体ができなかったようだ。従って、イメージ→絵コンテ→動き ということで最後に動きをつけることにした。
      子供たちは形やお絵かきの色、動きの細部にも非常にこだわり、なかなか時間がかかったが、出来上がったものを見ると、さすがに大人にはとてもイメージできなかったような作品を作ってくれた。
  • Q:グループで1作品を制作するか個人で1作品を制作するかはどのように決めたのだろうか?
    • A:自分だけで作りたい子は一人で、グループで作りたい子はグループで、と自主性にまかせて子供たちが自由に決めた。
      (これに関連して、グループ制作の短所と長所など大学生の制作例なども交えて、しばし意見交換が行われる----長所:お互いが自分の得意とする部分を担当することでより良い作品が完成する。短所:能力の無い者もグループ内にいれば他のメンバーの中にまぎれて一応作品を完成させたことになる)

    <鈴木先生より一言アドバイス>
     グループでの役割分担も良いが、どうしても自分一人でやらなければならないことは涙を流しながらでもやり遂げなければならないことを子供に体験させることも大切ですね。その辺の厳しさが最近の教育には欠けた部分があるのでは?

発表2 兼宗 進 さん(筑波大学大学院)
  • 題  材:ロゴ系言語「ドリトル」を使った中学校の実践から
    ---前回発表の授業見学記のまとめ-----
  • 実践校:三重県松阪市(中学2年生) /静岡県藤枝市(中学3年生)
  • 期  間:平成13年11月〜12月

 

質疑応答中の兼宗さん

●概 要●
 タートルグラフィックスも使えるオブジェクト指向言語「ドリトル」。
三重県松阪市内の中学校での見学記を前回発表いただきましたが、その続編です。
 ここでは生徒の理解度などを探るため毎時間の終わりにアンケートを実施。さらに全6時間の授業が終わった後、5問の試験を行いました。その集計をわかりやすいグラフにして紹介していただきました。
 結果的には約半数以上の生徒がすこし難しいな、と思いつつもほぼ理解している、ということがわかります。
 さらに今回は静岡県藤枝市の中学校で行われた3年生の技術科選択授業(16時間)についても作品を数点あげて簡単にご紹介いただきました。

 

発表から:

  • このような実践を行ったことの目的は、普通の学校の先生が普通の生徒に対して使えるか?ということを知りたかったため。
  • 授業を見ていてわかることは、実際に学校で使われるためには、機能の問題よりも寧ろテキストの完備や事例の必要性ということ。先生方が授業を組み立てるのに適切な素材の必要性。また、生徒が使ってみたくなるようなプログラム例や先生がたのための(すぐに自分の授業に取り込めるような)プログラムであるということ。
  • ドリトルでも簡単なペイント機能やキャラクターの作成ができるようにしたいが、マイクロワールドにも見られるように、生徒がこれらに夢中になりすぎる傾向が心配である。良いツールがあればいいのだが….。

    (ドリトルに関する詳細はhttp://www.logob.com/dolittle/でご覧になることができます。)

○TOPICS 筑波大学附属小学校「学習公開・初等教育研修会」について

 1月中旬より筑波大学附属小学校で行っている授業が2月14日午後2時からのワークショップで発表されますので、その概要をお知らせします。

  • 指導者:木下光正 先生 授業者:鈴木勢津子 先生
  • 題 材:マイコマーシャル
  • 対 象:小学校3年生
  • 科 目:総合科

    (授業計画や内容の詳細、制作した作品については次回研究会で発表の予定です。)

<次回予定>
鈴木勢津子先生より

 今回で発足より満2年が経過し、そろそろ会としての決まりも作った方が良いように思う。
また活動内容についても、例えば幼稚園から大学までのマイクロワールド実践のカリキュラム作成など、具体的な目的をもつことが良いかもしれない。次回(4月13日)には会の運営/規則や内容について試案を提出したいとおもいますので、皆さんで検討を行っていただきたい。
<(株)創育より>

 IE5.5SP2および6.0による作品の表示障害を解決するためのアップグレードプログラムを現在制作中です。2月末〜3月初旬には配布予定です。