パソコンとマイコンの利用
 軽快に滑空する究極の鳥型グライダー(「世界初鳥型飛行機」科学大賞ANA賞H.18学習研究社)は、世界初の鳥のように垂直尾翼が無いラジコングライダーです。
 究極の鳥型グライダーの開発のどんな場面でパソコン、マイコンが活用されているのか見てみましょう。 
 鳥は、飛行機と違って垂直尾翼がありません。鳥の飛行システムから考えたZ-WING操舵システムで飛行を可能にしました。鳥型グライダーは、現在も開発を続けています。
 YouTube @inakakoubouKANAI


1.製作 型紙を描いてリブを作る
  LOGO言語が得意なタートルグラフィックスを使います。

 鳥の平面形を元に図面を書いて製作を始めます。
 

 翼を切るときの型紙をプログラミングして作ります。LOGO言語は、カメで線を書けるので最適です。 → LCAD.mwx
 
2.重心位置を考える
鳥は、尾を少し下げるようにして尾も揚力を発生させて滑空をしています。つまり、主翼と尾翼が一体となっています。このような場合に重心位置は、どこにあると安定するのでしょう。
(1)まず、スチレンペーパーに重りを付けて、ちょうど良く滑空する重心位置を見つけます。
(2)前と後ろの前縁から重心位置までのモーメントを積分して前のモーメントの積分量の割合を出して%MACとします。
  これは画像をドット単位で調べることができるLOGO言語が便利です。
  コンピュータならではの方法で%MACを調べます。→%MAC.mwx 
  %MACは、14 ということが分かりました。
to GO
setM1 0 setM2 0
MAC、 make "MM1 0 make "MM2 0 make "GY ycor make "F1 1
K1、look
end
to look
make "F2 :F1
repeat 1200
 [
 forward 1
 if colorunder > 0
  [
  make "F2 1
   ifelse ycor > :GY
   [make "MM1 (:MM1 + (ycor - :GY))]
   [make "MM2 (:MM2 - (ycor - :GY)) make "F1 0]
  ]
 ]
setM1 round :MM1 setM2 round :MM2
if :F2 < 1 [setMAC]
sety ycor - 1 look
end
to setMAC
set%MAC (round(M1 / (M1 + M2) * 1000)) / 10
stopall
end 

(3)%MACが分かったので、ハヤブサの%MACが14になる重心位置を探します。
 平面形が複雑なので、計算では求めることができないので、プログラムを作って求めます。
 仮の重心位置を決め、%MACを測定し、14から外れていたら、仮の重心位置を少しずつずらして、再計測して、14に近づいた重心位置の前端からの長さを求めます。このような方法は、プログラムで行うので、コンピュータならではの方法です。→%MACから重心位置
to GO
K1, make "XY pos make "Y1 0
GO2
end
to GO2
K1, make "MM1 0 make "MM2 0
setpos :XY setM1 0 setM2 0 make "F1 1
look
end
to look
K1,
make "F2 :F1
repeat 1200
[
forward 1
if colorunder > 0
 [
 make "F2 1
  ifelse (K1's[ycor]) > (MAC's[ycor])
  [
  make "MM1 (:MM1 + (K1's[ycor]) - (MAC's[ycor]))
  if :Y1 = 0 [make "Y1 ycor]
  ]
  [
  make "MM2 (:MM2 + (MAC's[ycor])- (K1's[ycor])) make "F1 0
  ]
 ]
]
setM1 round :MM1 setM2 round :MM2 sety ycor - 1
if :F2 < 1 [JMAC]
look
end
to JMAC
set%MAC2 (round(M1 / (M1 + M2) * 1000)) / 10
make "Y2 ycor
setmmGLength round (mmLength / (:Y1 - :Y2) *( (TOPY's [ycor]) - (MAC's [ycor])))
if (%MAC - %MAC2) > 0.4
[ask "MAC [sety ycor - (%MAC - %MAC2) * 2] GO2]
if (%MAC - %MAC2) < -0.4
[ask "MAC [sety ycor - (%MAC - %MAC2) * 2] GO2]
stopall
end

3.側面中心を求め直進性を考える
垂直尾翼の無い鳥にとって側面形は、直進性を決める重要な要素です。側面が風を受けたときのモーメントを調べ直進性を調べます。
  LOGO言語には、画面の色を調べる命令があります。これを使って、これまでに製作した鳥型グライダーと実物の鳥の側面中心を計算して直進性を評価します。 →側面中心.mwx


4.PICマイコンによるZ-WING操舵
  PICマイコンに内蔵された、タイマー、PWMの機能を使います。
 鳥は、風により姿勢が変化すると反射的に翼や尾を動かして姿勢を修正して滑空します。
 ジャイロセンサーを使うと姿勢の変化を知ることができます。ジャイロセンサーからの信号をPICマイコンで読取り、Z-WINGと呼ばれる鳥の様な操舵を行います。
 ここで使うPICマイコンは、軽くて小さな8ビットのマイコンです。PICマイコンを8個使って並列処理として行うことで、複雑な操舵を可能としています。さらに32ビットのマイコンにすると、分解能を上げ、高速な処理を行えるようになります。→AIを活用したプログラミング
 (1)回路を考えます。
   ラジコンの受信機と3軸ジャイロと8個のPICマイコンをつなぎます。
 (2)プログラムを作り、PICマイコンに書き込みます。
 
プログラム 機能

送・受信機

ジャイロ

AIL

エルロン左

Aileron

Elevator2

Rudder

RUD

ELE

AIL2

エルロン右

Aileron2

Elevator2

Rudder

RUD

ELE

FLP

フラップ左

Flap

Elevator2

Rudder

RUD

AIL

FLP2

フラップ右

Flap2

Elevator2

Rudder

RUD

AIL

FLP3

尾の左

Flap3

Elevator2

Rudder

RUD

FLP4

尾の右

Flap4

Elevator2

Rudder

RUD

ABK

尾の上下

Airbrake

Rudder

RUD

GER

顔面ラダー

Gear

Rudder

RUD



5.飛行
完成した鳥型グライダーを飛行させます。 モーターを使って上昇したら、モーターを止めてグライダーとして鳥の様に滑空します。
 完成した鳥型グライダー「ハヤブサ」 →飛行の様子(YouTube)
    
究極の鳥型グライダー  YouTube @inakakoubouKANAI