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icard Q&A   
なぜ、icardを作ったか  ・開発理由。
icardの特徴 ・icardと他のソフトを比べてみると・・・。
コンピュータならではの教材とは ・コンピュータで提示する教材のメリット。
icardのフォルダを見ると  ・icardの教材フォルダを眺めると・・・。
icardによる教材の構造化 ・icardの教材は、構造化される。
自作教材の可能性 ・自作教材の良さを知る。


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なぜ、icardを作ったか
 コンピュータが教育現場でも使われるようになり、コンピュータならではという教材を求めてきました。教材の基本は、情報を提示することですが、普及しているシステムを使うと紙面で作るのと変わりない教材になってしまったり、制作の手間が多くなりすぎて授業に間に合わなくなってしまいます。それなら、学習指導で必要な機能だけに精選された機能を持つシステムを作ってしまえと思ったのです。
 学習の場で使うとなると、セキュリティー上、インストールの制限があるとか、様々な開発条件があります。開発言語の選択は、年齢的にも学校でコンピュータを学べた年齢ではないので、どんな言語を使うにしても独学で使うしかありません。開発言語をいろいろ試し、インストール不要でライセンス不要で配付できるソフトが作れる開発言語にして、icard.exeを制作しました。独学のおかげか、他に例の無い特色あるソフトとしてicardができたと思っています。



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icardの特徴
 プレゼンには、文字が動き回ったり、音がしたりするものがありますが、何度か使ってみると、学習の中身とは、まったく無関係な機能だと気づきます。学習に関心の低い学習者の興味を引きますが、学習しようと思っている学習者にとっては、むしろ、じゃまです。
 学びたいと思っている生徒が求めている教材を考えていくと、情報量と情報の質であることがわかります。つまり、学習教材として欲しいのは、情報量の多い画像や動画、シミュレーション、プログラミングです。そして、それらの質が高いものであるということです。しかし、公開されている、画像や動画は、著作権の関係から、教育利用として授業の一過程においてのみ利用となり、授業の都度、教材を作ることになります。つまり、自作教材は授業までに教材を完成させるという製作速度が要求されます。
 普及しているソフトには、簡単にプレゼンをする作品を作れる物がありますが、授業で使うには物足りません。
 icardは、授業で学習者の反応に応じて、カードの位置を変えたり、画面に線画を加えたり、新しい素材の提示を増やしたりと、授業の中で変化しやすいような作りになっています。そして、これらの操作が学習者にもわかるようにヒントの文字を大きくするなどしています。また、教材として撰んだファイルが自動的に教材フォルダにコピーできるなど、教材作成から運用までをできるだけ短時間で行えるようにしています。
 このように、icardは授業の中で先生と生徒がいっしょになって、学習の質を高められることを目指しています。



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コンピュータならではの教材とは
 これまでの黒板やホワイトボードを使えばすむ教材をコンピュータで行っただけでは、コンピュータならではの教材とは言えません。従来の方法とコンピュータを比較してみると、画像、動画、シミュレーション、情報量でコンピュータ利用の優位性があることがわかります。
   黒板・ホワイトボード  紙などのカード コンピュータ 
文字情報 ・黒板に順々に書いていくことで、書きながら説明でき、ノートをとりやすい。 ・書く時間がなくなり速く提示できるが、ノートをとりにくい。  ・速く提示できるが、ノートをとりにくい。
画像 ・黒板なら白紙、ホワイトボードならそのまま、プロジェクターで映せば可能。 ・大型プリンターで印刷して提示すればよいが、コストがかかる。 ・容易に可能。
動画 ・プロジェクターにDVD機をつないで、投影することで可能。 ・現時点では不可能 ・容易に可能。
シミュレーション ・大型模型を黒板に貼りつけるなどして可能だが、コストがかかる。 ・大型模型、専用の装置で提示可能だが、コストがかかる。 ・可能。 
情報量 ・黒板いっぱいに書いて10分、原稿用紙1枚程度。 原稿用紙数枚が限界。 ・多くできる。
・決められた方法で整理して保存。
・大量でも可能。 
・短時間で大量データでも検索、分析可能。
セキュリティー ・黒板に布をかける。
・ホワイトボードを裏返す。
 
・封筒、箱にしまう。
・書庫にしまい、鍵をかける。
・暗号化、IDと暗唱キー。
・専用サーバーで管理し、端末機に保存しない。
協働利用 ・同じ教室で、席を離れて黒板に書いて席に戻る。 ・大きな紙、カードに書いて、掲示。 ・ネットワークを利用。(セキュリティーの関係で、分離された専用のサーバーを利用)
・教室と保健室、職員室、図書室、海外・・・と情報を共有。
 

 これまでのコンピュータ利用で、コンピュータならではの教材と思えた場面を整理し、対応する機能をicardで実現しました。
  <コンピュータならではと言える教材> < icardの仕組み > 
1.授業という活動で学べる情報の量と質が高い教材。 ・カードの配置で、学習の見通しが立ち、状況に応じて、配置を容易に変えられる。
・フォルダに整理した教材を構造的に管理し、情報の運用が容易。 
2.画像や動画で、色や動き、手順を学べる教材。 ・カードをクリックすることで、必要な画像や動画を提示する。
・画面に線画を書き入れて学習の目の付け所を示せる。
3.シミュレーション、プログラミングによって、思考実験できる教材。 ・マイクロワールドのシミュレーションを起動できる。
4.協働利用できる教材。  ・サーバーのicardを起動して背景、カードの情報を協働利用できる。 
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icardのフォルダを見ると 
 icardでは、利用する素材をオリジナルなままにフォルダに保存して利用します。著作権法第35条の範囲で利用しているファイルを別のファイルに交換したり、予備ファイルをフォルダに保存したりとファイルの管理・運用が行いやすいつくりになっています。
  icard.exe ・icardの本体です。
・設定ファイルである、iniファイル、htmlファイル、txtファイルを読み込み、提示画面を構成します。
・設定ファイルは、数秒おきにチェックされ、読み込んだ内容と比較し、変化があると、画面の更新をしています。
・様々なOSが存在している現在、なるべく広く利用できるようなシステムとしたいと考えていました。いくつかの種類の開発言語を試したのですが、実用上の速度が出るWindowsのネイティブコンパイラーで作りました。
  wall.ini  ・画面の背景の設定しているファイルです。
・メモ帳で編集することもできます。
  html.ini  ・画面の背景に窓を開き、HTMLファイルを表示するときに作られるファイルです。
HTMLファイルは、icardで作成できます。 
  NOTE.html ・icardが標準に作るHTMLファイルです。画面の背景に窓を作り表示できます。 
  拡張子が
.txt 
・画面に配置されるカードを設定しているファイルです。カード1つにつき、1つのtxtファイルが作られています。
・メモ帳で編集することもでき、提示されているカードの文字を変えたり、大きさや位置を変更したりできます。
・いろいろな言語のフォントの表示ができるようにUNICODEを使っています。
・icardは、これらのtxtファイルを数秒おきにチェックしています。txtファイルの内容が書き換えられると、カードが更新されます。新しいtxtファイルが保存されると、新しくカードを提示します。txtファイルが削除されると、提示されていたカードも削除されます。
  拡張子が
.JPG .JPEG .BMP 
・背景やカードに表示される画像ファイル。
・icardで標準で使う画像は、JPEG、BMPです。
・背景に使う画像は、icardで背景に設定するときに _ のついたバックアップ画像も作られます。
  動画ファイル
拡張子はいろいろ
・icardからWindowsで観る機能を使って動画を再生できます。icardの画面内部で動画を表示することはしないので、動画のファイル形式は、そのときのWindowsにインストールされているビュアーによります。
・カードにリンクを記述し、カードを左クリックすると、動画を起動するという使い方をします。 
  NAILフォルダ ・カードに画像を表示すると、NAILフォルダにサムネイル用の小さな画像が作られます。元画像のファイル名の前に ~ がついています。
・サムネイル画像を作って使うことで、多量の画像カードを画面に並べて表示するのが速くなっています。

  MWEXフォルダ  ・マイクロワールドのシステムの入ったMWEXフォルダを置くと、icardからインストールしていないマイクロワールドの作品を起動することができます。マイクロワールドがインストールされている場合は、MWEXフォルダを置いていなくてもマイクロワールドの作品を起動できます。
  教材フォルダ  ・TOP画面から分岐して表示する教材が入っているフォルダです。
・フォルダごとに教材を管理できるので便利です。 
  その他のファイル  ・icardのカードからのリンクやランチャー機能で起動することができます。


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icardによる教材の構造化
プレゼンで「○中学校」を紹介するとき、従来のプレゼンソフトで作ると中学校の表紙から順に巡ることになります。
○中学校 1年1組  1年2組 2年1組 2年2組 3年1組 3年2組
このように画面と画面が直線的につながる作りなら、教材全体を1本のファイルで作ることができます。icardでもこのように作ることは可能ですが、せっかくicardで作るなら、次のような構造的な作り方をした方が授業で提示場面を選びやすく、教材の管理、運用も良いでしょう。


icardでは、画面に選択するカードを置き、カードを選択して別の画面に分岐し、分岐先の画面には、さらに分岐する選択カードと分岐前の画面に戻るカードを配置します。
icardでは、分岐すると画面右にイルカ(戻るボタン)が自動で表示されます。従来のプレゼンソフトで「分岐」「戻る」を作ろうとすると、「戻る」の機能が無いものが多く、「分岐」から、戻る画面を指定して「分岐」で戻ることになります。戻るができないと、1つの画面をいろいろな画面からの分岐で利用することができません。
 ○中学校 ←→  1年 ←→ 1年1組
←→ 1年2組
←→   2年  ←→ 2年1組
←→ 2年2組
←→  3年 ←→ 3年1組
←→ 3年2組
このような分岐と戻りによる作り方を構造化と言います。


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自作教材の可能性
 旅行をしていても、これは授業に使えるぞと、教材となりそうな最新の素材に出会うことがあります。写真やビデオに撮れば著作権法第35条の範囲で、授業に使える物もあります。また、自分で制作して自分の自由に使える素材もあります。それらをフォルダ単位で整理しておき、icardで教材にします。
 これまで、PCで利用する教材は、自作の手間の割に授業での効果がなく、従来の教材の方が良いのではないかと思うことがありました。しかし、icardで教材を作るようになり、制作の手間が減り、その反対にPCならではの教材効果が見られるようになり、利用効果は、制作の手間をはるかに超える物になりました。また、icardで作る教材は、構造的になっているので、授業をしていて、状況に応じた教材を見つけて利用する場面が増えてきました。まさに臨機応変の授業の流れができ、教材の素材も最新のものを扱うことができます。icardの利用は、授業の質を変えることができそうです。 

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