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 自作教材の作成から運用の流れ



1.環境
 ・どんな授業になるのかイメージしましょう。

   教室環境を考えよう
(1)Windows環境のPC ( 教材作成のPCモニタと授業で使うPCモニタは画素数、縦横比が同じに近いもの)
 PCの種類によっては、教材を作るの使う機材、ソフトウェアとの互換性、さらには使いたいソフトウェアや周辺機器が無かったりする問題が発生します。また、PCの種類によってはソフトウェアがそろっていてもライセンス料やネット費用が発生することもあります。PC本体の価格だけではなくて、運用全体の経費を考えて、Windowsの環境にしました。

(2)個別・一斉学習
 ・学習者一人一人が画面に集中できる環境
 ・学習者全員が1つの画面に集中でき、指導者が学習者一人一人を見て、学習状況を把握できる環境


(3)協同学習
 ・協同学習の内容による協議、教え合いができる人数
 ・ネットワークの利用もありますが、まずは、対面で協議できる環境作り




2.教材の元となる素材のモジュール化
 ・学習内容のまとまりを作り、教材の元となる素材集めから始めます。
 ・普段から授業に使えそうな素材、特に植物や地層など地域性が高い素材があったら保存して、モジュールとして整理していきます。
 ・授業計画、授業後のポートフォリオでもモジュールを使います。

  学習内容を小単元にします
 例えば、指導要領にある小学校3年理科「電気の通り道」 は、年間指導計画で見ると8時間扱いとなります。このまま教材作成をするには、少し大きすぎるので、もう少し小さなまとまり「小単元」にして、教材として考えていきます。
小単元の名前は、教科書によって違いがあるので、読み替えをする場合もあります。
A教科書を見ると「電気の通り道」として、「明かりがつくつなぎ方 4時間」「電気を通す物・通さない物 4時間」の2つの小単元になっています。B教科書では「電気で明かりをつけよう」として、「明かりがつくとき 4時間」「電気を通す物 4時間」の2つの小単元になっています。 

   教材名のフォルダーを作ります
(1)画面を右クリック→新規作成→フォルダー とします。
(2)学年名 の のフォルダーを作ります。
 (例) 
 3学年

(3)学年名の中に 教科名 のフォルダーを作ります。
 (例) 
3学年¥理科

(4)教科名のフォルダーの中に、icard.exe[icard]フォルダ をコピーして保存します。
 (例) 
3学年¥理科¥電気の¥icard.exe
3学年¥理科¥電気の¥ [icard]

(5)icard.exe数字 + 教材名 に変更します。
 (例) 
3学年¥理科¥電気の¥01明かりがつくとき.exe
3学年¥理科¥電気の¥ [icard]

(6)01明かりがつくとき.exe ダブルクリックして起動し、教材名フォルダを作ります。( 画面を右クリックして直接作っても良い。
   教材名の前に数字をつけることで、見やすい順番に並べて表示させます。
 (例) 
3学年¥理科¥電気の¥01明かりがつくとき.exe
3学年¥理科¥電気の¥01明かりがつくとき
3学年¥理科¥電気の¥ [icard]

(7)教材として利用できそうなファイル、指導計画案、授業後の資料をフォルダの中に保存していきます。

(8)PCで表示している画面の一部を画像ファイルとして利用したいときは、画面左下のか、右のアイコンにマウスを置くとイメージカッターが起動して画像を切り取って保存できます。

 <モジュール化のメリット>
・モジュール単位でコピーして利用できます。
・モジュール内に資料が保存されていくので、資料としての利用が便利で資料価値が上がります。
  ハードディスク
 保存先を何にするか、容量はどれくらい必要かという現実的問題があります。私(中学校理科教員)の場合を例にすると1テラのポータブルハードディスクに保存していました。教材作成は、主に自宅で行っていたので、翌日学校に持って行きノートPCに接続して授業に利用していました。ほぼすべての授業時間に利用し、3年間で中1年~中3年の教材を作成して、500ギガバイト程度になりました。
  著作権
 ネットで見られる画像、動画、音楽、楽譜、教科書の図版、教科書会社による指導計画は、著作権法第35条の範囲での利用になります。市販教材、他人が作った教材をコピーして利用することや、配布、ネット配信で自宅で利用させることはできないことになります。私が作った教材は、著作権法第35条の範囲で利用するものを含んでいたため、退職とともに廃棄しました。
 icardは、教育用フリーソフトとして作りましたので、オリジナルな素材、フリーの素材を使ってicardで作った自作教材は、自由に配布、ネット配信、自宅へ持ち帰らせての利用ができます。



3.教材化1 「表紙・導入」
 ・素材を集めただけでは効果的な学習にならないので、教材化していきます。
 ・学習することの必然性を感じるような画面にして、学習への動機付けになる学習の入り口を作ります。

  表紙となる背景を作ります
(1)クジラを左クリックします。

(2)準備した画像の中から、最初の画面にする画像ファイルを選択し、ボタンを左クリックして画像を背景にします。
 ※選択した画像ファイルは、自動的に教材フォルダにコピーされます。

(3)準備した画像以外を利用したいときはを左へドラッグしてicardを寄せて、利用したい画像を表示しておき、からイメージカッターを起動して背景にしたい画像を切り取って保存して利用します。

<画面に描画>
 を左クリックするか、画面を右クリックすると、画面の背景にと線を書けます。

 にしばらくマウスカーソルを置くか左クリックすると、PC画面の上に線を書けます。
<参考資料> 小学校学習指導要領解説理科編、教科書



4.教材化2 「学習の流れ 活動内容・課題・発問」  情報の2次元的配置
 ・活動内容、学習課題、主発問を示すカードを作ります。
 ・カードの並びを上から下へと見るだけで効率的な学習の流れになるように考えます。
 ・カードの並びを横に見ると、留意的な内容がわかるようにします。
 ・授業の中で新たな課題が出てきたときは、その場で、学習課題のカードを作ります。

  活動内容を表すカードを作ります
(1)マンボウを左クリックして、
 「学習指導計画案」に書かれた「学習内容」から、学習活動を表す言葉を書いていきます。
     

(2)を左クリックすると、「かいちゅう電とうの中を見よう」の文字のカードが作成されます。

  学習課題のカードを作ります
(1)マンボウで、学習課題につながる言葉を書きます。
     

(2)を左クリックします。


  主発問 のカードを作ります ペロリ ヒント フラッシュ
(1)で、発問を書きます。
      

(2)を左クリックして編集画面にする。( 後から行うには、カードを右クリックしてを左クリック )
  カードの編集画面で文字色、カード色を選択します。
      

(3)ペロリに、チェックを入れて、します。

(4)できた「主発問のカード」は、icardの画面に小さく で表示されます。

(5)を左クリックすると、大きくカードが表示されます。
        .
 
   と表示されます。

(6)スタンプにチェックを入れたカードは、カードを左クリックした後、もう一度背景の上を左クリックすると、その位置にカードがコピーされます。

(7)ヒントに文字を書くと、カードの上にマウスを置くと ヒントが表示されます。

(8)フラッシュ文字に文字を書くと、カードを左クリックしたときにフラッシュカードとして数秒間表示されます。


  学習の流れを作ります
(1)カードを移動して、学習の流れに合わせた位置にします。

(2)授業中の学習状況に応じて、その場でカードを移動し学習の流れを変更したり、新しいカードを作ったりします。

(3)授業中に学習状況の記録が必要になったときは、カードを右クリックして編集して記録を残します。


<文字色、カード色>
 できたカードを右クリックして文字色、カード色を設定できます。
  
         

<参考資料> 小学校学習指導要領解説理科編、教科書の指導計画


5.教材化3 「フォルダ移動のリンク」 情報の分岐による3次元的配置
 ・活動内容、課題を表すカードを左クリックしたら分岐し、その内容を表示するように考えます。
 ・表紙にあるカードを左クリックすると学習内容をまとめてあるフォルダに移動するようにします。
 ・フォルダ移動したら、そこで、新しく背景、カードを作ります。
 ・リンク元に戻るには、マウスを画面右に移動すると表示されるを左クリックして分岐元に戻ります。

  学習内容のあるページを開くリンクを作ります
(1)上記の あるいは、カードを右クリックしてを左クリックします。
     

(2)を左クリックするか、移動するフォルダをで選択して、 します。

   
   
(3)作ったカードを左クリックして、フォルダをを移動したら、その画面で、新しく背景、カードを作ります。




6.教材作成4 「テキストの表示」
 ・背景にhtml形式のテキストを表示します。htmlテキストは、ワードかicardのエディターで編集します。

  背景にテキストを表示します
 (1)で開きます。

 
 
 で、表示するテキストをワードかエディターで作ります。
 どちらを使うかはで切り替えます。
 ※ワードがインストールされていない場合は、になります。
(2)ワードでテキストが書けたら、上書き保存して、ワードを閉じます。 
 
(3)テキストの表示場所は、で設定します。
   
       設定された背景の位置にhtml形式のテキストが表示されます。

※htmlファイルは、ワードが上位コンパチです。icardのエディター、ホームページビルダーなどのhtml作成ソフトで作成されたhtmlファイルは、ワードで編集できますが、その逆はできません。(ワードで作るhtmlファイルは、複数のファイルになっています)


7.教材作成5 「学習内容のシミュレーションの表示」
 ・シミュレーション作品をプログラミングして、icardの画面から起動できるようにします。

  シミュレーションを作ります
 (1)で、マイクロワールドEXを起動してプログラミングして保存します。
  ※ライセンス期間中は、保存ができます。


  シミュレーションの起動ボタンを作ります
  (1)から、実行する作品を撰ぶと、カードを左クリックしたとき作品を実行するようになります。  

あるいはカードを右クリックして、で、
としても同じです。 

<画面の移動>
 学習活動中にマイクロワールドEXが画面の裏になってしまい見えなくなってしまったときはで、画面を左上に待避させます。
 画面を少しだけ移動したいときは、をドラッグして、画面を移動します。


8.学習履歴
 ・フォルダにポートフォリオを残します。

  授業での活動記録

(1)ボタン(カード)を右リックして☆◎○×▲▼をつけて、学習の記録として残します。

(2)ボタン(カード)の大きさ、位置を変えて、学習の記録とします。

(3)ボタン(カード)の作成、背景への描画は、「提案・保存」をすることで、フォルダ内に保管されます。

ペンギンメニューの「カード情報をCSV保存」
でカード情報を見ることができます。
一覧を見ると、☆がつけられたカードがすぐにわかります。
※ボタン(カード)の中に >CSV と書くことで、ボタンを左クリックしたときの時刻を残すことができます。
   

(4)コメントなどを残すときは、を左クリックして

   を選ぶことで、ノート00 ~ノート69までのフォルダが使えます。

(5)名前カードを作って、状態を変えて保存します。


Excelで名簿を作り csv形式で保存します。
   

 で、名簿を読み込んで、名簿のカードを作ります。

 名前のカードには リンクコマンド >SW が書かれているので、
 カードの右側を左クリックするとカードが大きくなり、
 左側を左クリックすると、小さくなります。

  次回の授業を考えて、記録を残します
(1)教材をモジュールで考え、フォルダで管理しているので、フォルダが記録保管庫になります。
(2)児童の活動記録、教材作成で作ったけど、利用しなかった素材など、フォルダに管理することで、次回の教材作成に利用できます。

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